永遠のアセリア-The Spirit of Eternity Sword-



マナ……それはすべての生命の源…魂を浄化する素。
人々はマナから生まれ、そしてマナへと還る。マナは浄化され、再び新たな魂へと輪廻する。
マナは世界で定量であり、生命はその限界を越えることはない。

世界は一定の秩序のリングによって保たれていた。

ファンタズマゴリア…それがこの世界の名前である。


家族を二度失った少年がいる。

少年の名は、高嶺悠人
(たかみね・ゆうと)
飛行機事故に遭いながらも、奇跡的に命を取り留めた義妹、高嶺佳織
(たかみね・かおり)
血の繋がらない二人は、身寄りもなく、寄り添いながら現代を必死に生きていた。
互いの小さな気持ちをしまい込みながら…。


秋月瞬
(あきつき・しゅん)という少年がいる。

悠人が高嶺家に養子に入る前、佳織の兄のような存在だった。
歪んだ愛情を抱き、強い独占欲から、悠人の存在を決して認めない。
悠人と瞬は、佳織を中心に憎しみ合っていた。


それでも悠人と佳織は、友人たちとの生活を、変わらない日常を送っていた。


しかし、少しの不幸と、少しの幸せの日々は終わりを告げる。

悠人の前に倉橋時深
(くらはし・ときみ)と名乗る巫女が現れる。
悠人の眼前は真っ白になり、意識が薄れていく。

薄れていく意識の中に、声が聞こえる。
「代償を支払うときがきた……奇跡の代償を」

意識を取り戻した悠人。
力が抜け、自分の体がまったく言うことを聞かない。
空を見上げると、いやに青白く大きな月が浮かんでいる。

空に光が走り、純白の翼を持つ蒼い髪の少女が、悠人の前に降り立つ。
その少女は、冷たい眼差しで見下す。




「…ラスト…シニィテ、ラ、ウィースィ? ラスト、リュー…キネ…ハイ・ペリア……」


少女は聞いたことのない言葉で語りかける。悠人の意識は再び遠のく。
少女は無表情のまま悠人を抱え、その場を飛び去っていく。
光の翼を羽ばたかせて……。


スピリットという少女たちがいる。

永遠神剣と呼ばれる究極の力を持つ剣を、握るためだけに生まれてきた存在。
スピリットたちは人間の、マナを奪い合う戦争を代理していた。
少女たちは皆…強く、美しく、そして儚い。


エトランジェと呼ばれる少年がいる。

少年の名はエトランジェ・ユート。
佳織を救うために、スピリットたちと戦乱の大地と化したファンタズマゴリアを戦い抜いていく。
現代世界へと還る方法を模索しながら。

犠牲を支払わなければ、なにかを得ることができない世界。
少年の持つ永遠神剣が切り開く未来は……。
永遠神剣と、スピリットたち、そしてエトランジェたちの壮絶な戦いが幕を開ける。



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