季節は冬……数日後にバレンタインデーを控え、浮き足立つクラスメイトたち。 部活にも委員会にも所属せず、クラスの女子とも 話す機会の少ない最上 拓哉（もがみ・たくや）には、あまり関係なかった。 ただ、【義理チョコ】は２つ確定している。 隣に住む幼なじみの風花と、自宅に居候中のイトコつばさ。 風花は早くに母親を亡くした拓哉にとって姉であり母である女性だし、 イトコのつばさとはお互い異性として見ていない。 甘いものが特に好きでもなく、女性との交際も熱望してはいない、 そんな拓哉にとって、バレンタインは特別な日ではなかったのだ。 ――そう……去年までは。 今年のバレンタインを機に、拓哉の人生は大きく変わり始める。 一人の年上の女性と、肉体関係を持ってしまったのだ。 拓哉は彼女との関係を、そして自分の将来を真剣に考えることになる。 そして考えを実行に移すとき、傍らにいる女性は、誰なのだろうか……？
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