戦闘システム編 その2


それじゃ、この前の続きといこうか
   
お願いします!
   
あ、でも、続きの説明を聞く前に、まずは注意事項を言っておこうかな
   
注意事項、ですか?
   
そうそう。前回、スピリットたちの能力が下がっていることは話したね?
   
はい、憶えています
   
この際だから、私が直接戦い方を指導しようと思う。
いわば、君は彼女たちの兄弟子になるわけだね
   
え゛
   
あれ……不満かい?
まぁ君が、『先生は僕1人の先生じゃなきゃイヤだっ!』とか言うなら、
考え直さないでもないでもないけど?
   
どういう駄々っ子なんですか、僕は!
それにそれ、結局考え直してないじゃないですか!!
   
ふぅ……たまには、弟子に甘えられたいのが師の本音というものだよ
   
そ、そんな冗談はいいですからっ。
僕はただ……兄弟子が一番弱いのが微妙だと思っただけです!
   
それはどうかな?
 ただ神剣の力を使うっていうわけじゃなくて技術の問題だからね
   
まぁ、それはそうなんですけど……
   
ふふ、それにね、君はそんなに弱くないと思うよ
   
……どうでしょうね
   
君に足りないのは実戦の数だけだよ
   
あの、そこに大きな差がありすぎると思うんですけど
   
ところが彼女たちも力が弱まったり、戦いから遠のいたりしている。
あまり条件に差は無いよ
   
なるほど
   
そして実戦の経験を積み、特定のスキルを伸ばしたいと思ったら、
私に伝えてくれるといい。
 そうすれば、君の望むように成長できるよう手助けをするよ
   
ありがとうございます!先生
   
まぁ、君に限った話ではないけどね。
みんなそうして成長する余地があるんじゃないかな
   
はい。よく覚えておきます
   
さてと、そろそろ本題に移ろうか。
 確か今回は、
『コマンド(予約)フェイズ』
についてだったね
   
そうです。えっと、ここですることは、
タイムチャート(時間割)の作成です
   
タイムチャート?
   
戦闘を時間で考えるっていうのは前回説明したところなのですが、
 ここでは、その部分を詳しく決めていきます
   
ふむ……
   
1ターンごとに、さらに小さく
区切ると考えてください。
こんな予定表を埋めながら、
スキルを予約していきます
   
なるほど。このマスは時間……かな?
縦に積んでいくんだね
   
はい、縦の列のことはタイムラインと呼んでいます。
 タイムチャートには、敵と味方のタイムラインが
交互に並んでいます
   
タイムラインだね。
それって、1ターンの間にみんなが動ける限界を表している?
   
はい、そうなんです!
 ここで気を付けなきゃならないのは、
何か行動を起こす時には時間がかかるということです
   
剣術の予備動作にしろ、魔法のための集中にしろ、
それは避けられないだろうね
   
ええ、ですからそれを頭に入れておく必要があります。
 基本的に魔法よりは攻撃が、攻撃よりも防御の方が早いですね
   
うん、普通はそうなると思う
   
で、ですよねっ!
   
あくまで、普通は、としか言えないんだけどね
   
そうなんですけどね……
   
とりあえず理解はしたよ。
最初からやってみようか。まず、スキルを選択するんだよね
   
 
はい、
そうするとそのスキルに応じた時間の分、
そのユニットのタイムラインが埋まります
   
魔法や攻撃はたくさん使いたいけど、時間という制限がある分、
 色々なスキルを使わなくてはならないのかな?
   
そうですね、戦闘では時間と効果とを考えて、
場面によって適切なものを選ぶ必要があります
   
ふむ……時間のかからない行動のみを選んでいては、
行動回数こそ多いものの、
効果は知れたものという事になるわけだね
   
ええ。逆に時間のかかる行動ばかり予約すると、
効果は大きいものの
行動回数は非常に少なくなってしまいます
   
何ごともバランスが大事ってことかな
   
はい、そうですね……
強力な敵1体との戦闘と、普通の敵複数との戦闘では、
戦い方がまるで変わってくるでしょうし
   
確かに、指示次第で戦況は大きく変わるよ、うん
   
肝に銘じておきます……
   
ふふ……
   
えっと、それでですね、みんなが
スキルをどんどん選択していって、
タイムラインを埋めていきます
   
タイムラインを埋めていけば、タイムチャートは完成するわけだね。
 これは、自分たちと敵側は交互にやっていくのかな?
   
あ、はい、スキルを選択出来る人は右に移動していって、
全員(横列)がスキルを選択したら、
 ”タイムラインが一番低い”
一番左の人からまた右に移動していきます
   
……ってことは、時間のかかるスキルは効果は大きいけど対処されやすい。
逆に、時間のかからないスキルは効果は小さいけど対処されにくい、と
   
そうなりますね。基本的にはそうなると思います
   
でもそうなってくると、全員のスキルの発動する瞬間を見極めて、
行動を決定することが大切になってくるんじゃないかな?
   
そうです、その通りなんです!
細かくタイムチャートを確認して、
誰の、どんな効果のスキルが、
いつ発動するのか、をよく考える
必要があるんです
   
ふむ……効果だけじゃなくて時間とも相談しなきゃならないのか。
 本当に大変だね、君は
   
で、でもきっと、ちゃんとすれば凄く効率よく戦えるハズなんです!
   
そうだね、それはそんな気がするよ
   
ありがとうございます。
それでですね、全員がタイムライン
を埋めたら
『コマンド(予約)フェイズ』
は終了になります
   
あとはこの完成したタイムチャートの通りに
戦闘が進んでいくわけだね
   
すみません。そこでもう一つ注意があるんです
   
ほうほう
   
時間の処理の順番なんですけど、
これ実は、
一番上の右から左に流れていって、
左端まで行ったら
その下の段の右から左まで流れて……
という風に動いていくんです
   
なるほどね、んで記号が書いてある所にいったら、
そのスキルが発動するっていう解釈で、いいのかな?
   
はい。
記号のところに時間が移動したら、
そこでスキルが発動します
   
……でもこれじゃ、最初に選んだスキルが
最後に発動っていうことになっちゃうけど
   
あ、はい、それはそれであってます。
   
なるほどね、必ず選択された順にスキルが使用されていく
っていうわけじゃないんだね……ふふ、大丈夫なのかな?
   
な、なにがですか?
   
結局のところこれって、最初から最後まで
全部読み切らないといけないってことだよ?
   
そ、それができてこその、ビジョンですから……っ
   
ふぅん……こりゃ、良くも悪くも、本当に君が鍵になるね
   
頑張ります……ものすっごく頑張ります……
   
じゃあ、次回は「アクション(応酬)フェイズ」の説明だね
   
え、次回?
   
ああ。だって、今日はもう――
   
兄さん、お茶が入ったよ?
   
あれ、シアー?
   
さ、みんなを待たせないうちに行こう
   
えとね、今日は緑亭のお菓子なの
   
あ、うん。行こうか
   
次回はいつになるのかな
   
は、はい……ええと、近いうちに
   
うん。なら、そういうことにしておこうか
   

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