この世界について 〜第2話〜

「さて――」
 「面倒」
「はっ、始める前に話を終わらせないでくださいよぅっ!」
「だって、面倒なものは面倒だし」
「ニム、そんなことを言ってはだめよ。 これを楽しみにしてる人もいらっしゃるんでしょうからね」
「この前のでいいんじゃないの?」
「いえいえ、前のじゃまだ足りないみたいです。 もっと詳しく知りたいという方も多いとか」
「ふ〜ん」
「具体的に言うと、どのあたりなのかしら?」
「う〜ん……島が浮いてるっていうのが、どのくらいなのか、とか?」
「それじゃ、ちょっと島の周りを飛んでみましょうか」
「え……んぐっ! ヘリオン?」
「では、ちょっと行ってきます〜」
「気を付けてね」
「ちょっと、お姉ちゃん……
 なんで手を振って、こんなのっ……きゃっ……
わぁぁぁぁぁ
      
「ただいま戻りました〜」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「どうだった、ニム?」
「も……ものすごく、高い……」
「下を見ても、海が見えませんでした」
「今日は霧がかかってるみたいですからね」
「お城幾つ分の高さなんでしょうねぇ」
「……ヘリオン、もう無理やり連れて行かないで」
「あれ、楽しくありませんでした?」
「ニムは飛び慣れてないから」
「そうですか……なんだかちょっと残念です」
「ふふ。でも、わたしと一緒に飛ぶのは好きなのにね」
「お姉ちゃん!」
「ふぇ? そうなんですか?」
「…………島についてだけど、気持ち悪いと思う」
「話を逸らし――」
「お姉ちゃんは、どう思う?」
「そうね……たまに、過ごしやすい島はあるけど、全体的には……」
「なんというか、色が極端ですよね」
「そういえば、そうですね」
「はっきりと別れすぎてて気持ち悪い」
「確かに、そう言われるとそうですねぇ」
「他に気になると言えば、ほとんどの島に誰も住んでいないことかしら?」
「まぁ、住みたく無さそうな島も多数ありますけど……」
「住める島を探す方が難しいかも」
「そうね……」
「あ、でも、そういう島だからこそ、探検のしがいもありますよねっ!」
「きれいにまとめる気みたい」
「うぅ……先を読まなくてもいいじゃないですかぁ」
「でも、島の数も10……ううん、その倍はあるかしら?
 それだけの数だとすべてを探検するのは大変そうですね」
「ニムは、お姉ちゃんと一緒なら、のんびりと回ってもいいけど」
「の、のんびりとした探検ってありなのかなぁ……」


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